政府の規制改革会議・農業ワーキンググループが、「農業改革の方向性について」をまとめた。
そしえ、全国農業協同組合中央会の中央集権的な運営が、地域ごとの農協の創意工夫を阻害しているという点から、全国農業協同組合中央会を頂点とする組織を事実上解体する案を示したようだ。
確かにこのような面が賛成できるが、むしろ重要なのは、個々の農協の改革ではないかと思う。
農協の機能としては、次のようなものがある。
当初は重要であったのかもしれないが、現状で考えると、最も農協の機能として重要なのは「農産物の販売」である。なぜなら、様々な小売・サービスが出てくる中で、必ずしも農協から資材を購入したり、JAバンクにお金を預ける必要はないからだ。
しかしこの「農産物の販売」という点で、個々の農協は必ずしも機能していたとは言い難いだろう。
農協というと特別な組織のように感じるが、この機能のみを考えれば、農協とは商社・卸売業なのである。しかし現状、農家から収穫された農産物を集め、市場に卸すという、右から左へ農産物を流すというビジネスがメインとなっている。
これでは儲かりにくいし、価格交渉力も弱く、ここに現在の農業の衰退の一因がある。
いかに、個々の農協が地域の商社としての機能を発揮するかがポイントであり、この面で改革を行うべきであると思う。
勿論、個々の農協でも頑張っているところも多い。
しかし、現在求められるのは、販売力やマーケティング力である。この点で例えば、農協ではないが成功しているのは、農産物の販売などを行っている「和郷園」だろう。
大規模化が進められ、農協の機能は低下しているともいえるが、小さな農家にとっては、農協の商社的な機能は現在でも重要だ。
この点で、個々の農協の商社的な機能をいかに上げるか、農協改革の鍵だと思う。
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