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やはり必要な金融制度改革

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 アベノミクスの第一の矢として、日本銀行による金融緩和が行われているが、なかなか民間にはお金が流れていないようだ。

2014年7月10日 産経ニュース
「お金、民間に流れず? 日銀緩和も「銀行がせき止め」 マネーストック伸び率16カ月ぶりの低水準」

 要旨を言えば、マネタリーベース(日銀が出しているお金)が大きく伸びているにもかかわらず、マネーストック(一般に流通しているお金)はあまり伸びていない。このマネーストックも大きく伸ばすには、金融機関が融資などする必要があるが、金融機関でお金がストップし、民間にお金が流れていないということだ。

 ここで考えなければならないのは、失われた20年の一つの要因として、金融分野について規制が強化され、お金が場に流れにくくなっているということである。

 金融検査などにより銀行などは融資をしにくくなり、リスクマネーについてもファンド規制なども強化され、世の中にお金が流れにくい状況が続いてきた。貸金業についても、総量規制などが導入され、事業者ローンや消費者金融などの場は縮小してしまった。

 いずれも借主保護や投資家保護の観点から導入されたものであるが、現在のような、お金の流れにくい金融産業の構造ができてしまった。逆に言えば、最近はやりのクラウドファンディングなどは、このような金融産業の現状を反映した、ある種の徒花とも言えよう。
 このような現状において、いくら日銀がお金を出しても、民間までお金が流れないのは致し方ない。

 そこで、政府や与党でも、若干の金融制度改革を検討しているようだ。

 例えば、自民党のほうでは、貸金業に関して、総量規制や上限金利について、以前の制度に戻すという案も出ているようである。

2014年6月29日 時事ドットコム
「消費者金融の規制緩和=「認可業者」に上限金利29.2%-自民党が貸金業法改正案」

 また、アベノミクスの成長戦略の一つとして、投資型のクラウドファンディングを行う場合、参入要件を引き下げるということも挙げられているようだ。

 多少効果はあると思うが、いずれも小粒であるような印象である。

 投資家保護や詐欺などは問題ではあるが、上記のニュースを読んで、改めて大胆な金融制度改革を行えるかどうかが、日本経済にとって非常に重要なことであると思う。

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