建設業への支援
あまり知られていないかもしれないが、地方自治体では、数年前から、建設業の新分野進出に対する支援を実施しているところがある。
2000年代から公共事業の削減などの影響で、地方で建設業は不況業種となった。とはいっても、地方自治体としては、放置をしておくわけにもいかず、建設会社などが新たな分野に進出することを促進するため、支援を実施してきた。
企業間連携を図るための事業計画策定等
新分野進出に必要な事業計画策定等
(2)新分野定着促進費
新分野に進出するための初期投資の事業
新分野での定着を図るための事業
(3)共同販売促進費
共同販売促進事業
宮崎県「建設産業経営力強化支援事業について」
このような取り組みは、すべての都道府県で行われているわけではないが、宮崎県だけではなく、北海道・山梨県・熊本県・広島県など、多くの県で実施されている。
支援の中止
とはいえ、地域によって異なるだろうが、建設業は人手不足といわれている現状である。
このような支援制度が継続されているのか、気になるところ。
そこで、いくつかの自治体について調べてみると、多くはこのような支援を継続しているようだ。
ただ、山形県では平成25年度に採択事業はなく、平成26年度は休止という対応をとっている。
山形県がなぜこのような事態に至っているのかは分からないが、建設会社からすると、新分野への進出などを行っている場合ではないともいえよう。
役所としても、支援制度を設けても、応募がなければ意味がない。
特に、このような支援制度をはじめて数年間経っていることから、しっかりと計画を立てて新分野に進出しようと考えているような会社は出尽くした部分もあるのかもしれない。
支援の継続を!
現在はどこの自治体も来年度の予算を練っていると思うが、山形県のように、支援の休止や廃止を検討しているようなところがあるかもしれない。
しかし、現状、建設業は忙しいかもしれないが、概ね公共事業のおかげである。
そして、国の財政などを考えれば、このような状況は継続されず、5年後・10年後には、業界は縮小に戻らざるを得ないだろう。
このように考えると、上記のような建設業への新分野進出支援などは、重要だ。
建設業界としても、5年後・10年後のことを考えれば、今こそ新分野進出など、新たな道を検討しておくことが必要だ。
モデル事業であるので、多くの場合採択枠は少なく、効果ははっきり言って小さいと思う。
しかし、行政として、建設業の新たな道を開くため、またそのようなマインドの醸成のため、地道に支援を継続していくことは重要だと思う。
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