鳥取県とグッドスマイルカンパニーとの提携
鳥取県が、フィギュア大手のグッドスマイルカンパニーと提携し、製造業振興プロジェクトを始めるようだ。
2014.12.11 日本経済新聞「鳥取県、フィギュアで製造業振興 グッドスマイルと提携」
グッドスマイルカンパニーが工場を鳥取県に作ったのがきっかけと言えるのだろうが、今回の提携は、どちらの方から提案したのかは分からない。
ただ、よくアニメやマンガなどを活用して、地域振興などが行われている中、今回のこのプロジェクトは非常に興味深いと思う。
このプロジェクトの2つの意義
よく企業誘致においては、地元企業との連携をどうするかが自治体としては重要になる。
地方に工場ができても、地元企業に仕事が来なければ、その波及効果は弱いため、自治体としては、進出工場と地元企業の間を何とかしたいと考えているものだ。
そして今回のこのプロジェクトは、このような進出工場と地元との結びつきを強めるための方法の一つと言えよう。
ただそれ以上に、私は大きな2つの意義を今回のプロジェクトは持っているのではないかと思う。
1つは、アニメやマンガを活用した地域振興の新たな在り方を示してくれるのではないかということだ。
アニメやマンガというコンテンツには、コスプレやフィギュアも含まれるが、地域振興に結び付けているところは、ほとんどないだろう。
この点で、アニメやマンガを活用した地域振興ではあるが、従来の観光ではなく、製造業ということで興味深く、新たな可能性を秘めていると思う。
もう1つは、提携して、3Dプリンターを使った金型の製造技術の開発を行うということだ。
具体的なことは分からないが、3Dプリンターと言えば、最近話題となっている設備の1つだが、まだまだ利用している人は少なく、実際の利用や実用化という点で、課題もあるだろう。
この点で、今回のような取り組みを行えば、鳥取県の企業や研究機関などは、3Dプリンターに関する技術開発が行え、人材育成も行える。
実際の技術開発などがうまくいくか否かは別として、それらの知識・経験は、鳥取という地域にとって大きなプラスになるだろう。
産業政策を考える場合、いかに外部性に働きかけるかがポイントになることが多い。この場合、3Dプリンターに関する技術・知識を地域に根付かせ、いかに広げるかが、その外部性にあたるだろう。
その点で、特に、フィギュアの金型製造技術というフラッグシップがあるので、3Dプリンターというものを地域に広げやすく、うまくやれば、3Dプリンターに関して、鳥取は非常に面白い地域になるだろう。
まとめ
具体的な内容は分からないので、グッドスマイルカンパニーと鳥取の企業や研究機関が、単に共同研究を行うだけの話なのかもしれない。
しかし、上記のような2つの意義・可能性を秘めたプロジェクトでもあると思う。
是非とも、頑張ってほしいものだ。
コメント