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成長産業の見分け方

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成長産業は見分けることはできない

 国はもとより、地方においても、今後、どのような産業が成長産業となるのかを考えることは重要だ。

 そこで、どこの地域でも、ある種、一部の産業を重点化した支援などが行われているものである。例えば、山口県では、今後は「水素だ!」ということで、水素産業の育成を行っている。

 とはいえ、国の成長戦略への批判では、行政がどの産業が成長するかは、見極めることは難しい(もしくは無理)という意見がある。

 もっともである。

 行政・民間、誰もがそのようなことを見極めることはできない。「神のみぞ知る」である。

 しかしそれは、ある種の誤りもあると思う。


成長産業の種類

 成長する産業といった場合、大きく分ければ2つある。

 1つは、非技術的な産業である。
 例えば、スマートフォンなどは、新しい技術で生まれたものではないと言われる。既存技術を組み合わせ、消費者が求める新たな価値を生み出し、スマホ場という新たな場も生まれた。
 また、ネットサービスなどの多くもそうであろう。多くのサービスは、技術的には新しいものではない(極端にいえば、html、java、php、CなどのPC言語を使っているだけである)が、新たな場を生み出している。

 他方、上記のような産業とは異なり、技術的な要素が伴う産業ある。
 例えば、ロボットや新薬開発などがこのような例に当たるだろう。

 そして、技術的な要素が伴う産業は、実は成長産業か否かは読みやすい。


その理由は?

 技術的な要素が伴う産業は、研究開発が行われているか否かが、スタートとなる。研究開発が行われていなければ、そのような産業が生まれることがない。

 言い換えれば、技術的な要素が伴う産業は、大学や研究機関の技術的な動向を見ていれば、ある程度は、読めるのである。例えば、ある大学の先生が、新たな機械を開発しているとすれば、それが新たな産業の入口となる。

 勿論、新しい技術が生まれても、ニーズがあるのかは問題だ。

 ただ、大学・研究機関としても、現在はその技術の有用性は絶えず問われている。そして、突飛であったり、素晴らしい活用のアイデアはなくても、オーソドックスな活用を考えて、研究は進められている。

 このように考えたとき、その研究が、一般的な感覚として、社会的に有用であるか、役立ちそうであるかを判断すればいいだけである。
 例えば、太陽光発電の発電効率アップを研究している研究者は多いだろう。現状は、10数%程度であり、30%となれば、すごい、100%となれば、驚異的という話である。勿論、これには、価格・量産化・実用化なども問題も生じるだろうが、シナリオは見えている。

 意外な新技術の活用という例もあるが、それを想定していても、意味はない。
 技術的な要素が伴う産業については、基本的には、地域の大学・研究機関がどのような研究を行っており、それが社会的にどれだけインパクトを与えるか、どれだけ仕事・生活が変わるのか、それを考えるだけで、地域として、成長産業となりうるかどうかを見極めることができるし、そこが成長産業というものの見分け方にとって、重要なポイントであると思う。

 言い方を変えれば、技術的な要素が伴う産業は、ある程度、シナリオが予想されやすい産業であり、実は成長産業となりうるか否かの見極めは、比較的やりやすいのである、

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