施策のポイントが変わってきている
よく、地方を考える場合、地方分権などといった話が出ます。
私もかつては、地方分権が重要であると思っていました。
しかし最近は、(非才で申し訳なく、遅ればせながら)地方分権というものはどうでもいいのではという気がしています。
これは、地方分権が盛り上がらないからではありません。施策の在り方が変わってきたからです。
政策といった場合、いろいろな種類がありますが、(金融政策を除けば)財政政策と規制に分けられるでしょう。そして、財政政策は、呼び水であったり、インセンティブを付与するような効果をもち、規制は公権力としてルールの順守を求めるものです。
しかし、農業・医療など一部の分野を除いて、概ね、規制は緩和されてきています。そして現在の状況を考えれば、規制を強化することは難しいと思います。
これまでも、地方における政策の中心は、地方分権が行われていないため、規制という手段をとることは難しく、財政政策がメインでした。ただ、これは地方だけではなく、いろいろと規制緩和を行った結果、国においても、このような要素が強くなっています。
例えば、(エネ庁を除き)規制などがなくなった経済産業省は、かなり以前から、予算が施策の中心となっており、(他省から予算を分捕ることも含め)どのように予算を使うかがメインとなっています。
すなわち、施策の中心は、規制などではなく、財政政策がメインになってきているのです。
翻ってみると、地方は…
地方に行けば、財政的な支出は増加傾向です。
医療・介護などにお金がかかることに加え、インフラの維持も厳しい状態です。都会では当たり前の塾なども、小さな自治体に行けば、民間参入がないため、自治体が運営しなければならないような状態もあります。
しかも、他の自治体との競争も激しくなっているので、新たな事業も実施して、観光客を呼び込んだりもしなければなりません。
小さな自治体ほど、お金がかかるというのが、現実なのです。
よく、地方には知恵がないという話もあるが、お金がないため、できないことも多いが現実です。お金よりも知恵が重要だという話もあるが、お金を抜きにして知恵のみに頼れば、奇襲的な戦法しか採ることはできません。まさしく、このような発想だったのが、戦前の陸軍ではないかと思います。知恵も重要だが、物量(お金)も重要なのです。
中には、独自の施策・事業を行おうと思っても、単独の予算がないため、通常は行えないが、国からお金が来れば、新規の事業を行うというところも多いです。
地方自治体でも、自ら考え、何とかしようという機運は、年々高まっています。
このように考えると、いかに、地方に予算を配分するかが、ポイントであると思います。
思うに…
国による地方創生があり、総合戦略を打ち出している地方自治体も多く出ています。
しかし地方の本音は、
「ただでさえ忙しい中、国は面倒くさいことをやらせる。とはいえ、国から言われたし、国から予算が降りるかも…」
という感じで、やっているのではないかと思います。
もう、このようなことは止めたほうがいいでしょう。
財政政策の重要性が高まり、地方としても財政的の必要性が高まり、その使い道も一生懸命、考えていまうs。
財政分権を行うと、財政が放漫になるという論文もあったように記憶しますが、国がプレミアム商品券などを行わせるような状況を考えれば、全然ましです。
今こそ必要なのは、財政分権であると思います。
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