概要
地方公共団体の財政状況を判断するための指標として、「財政力指数」「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」「実質公債費比率」「将来負担比率」といったものがあります。
特に、「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」「実質公債費比率」「将来負担比率」の4つについては、地方公共団体の財政破綻を判断するための基準となる指標です。
指標
財政力指数
地方公共団体の財政力を示す指数です。
財政力指数 = 基準財政収入額 ÷ 基準財政需要額
(過去3年平均)
実質赤字比率
実質赤字比率とは、地方公共団体の財政規模に対する一般会計等の赤字の割合です。
実質赤字比率 = 一般会計等の実質赤字額 ÷ 標準財政規模
なお、
一般会計等の実質赤字額 = 一般会計及び特別会計のうち普通会計に相当する会計における実質赤字の額
実質赤字の額 = 繰上充用額 + (支払繰延額+事業繰越額)
連結実質赤字比率
実質赤字比率が一般会計等のみをベースとしていたのに対し、公営企業などの赤字も含め、全会計に対する赤字の割合を見たものです。
連結実質赤字比率 = 連結実質赤字額 ÷ 標準財政規模
なお、連結実質赤字額は、次の①②の合計額が③④の合計額を超えた場合の超過額
①一般会計及び公営企業以外の特別会計のうち、実質赤字を生じた会計の実質赤字の合計額
②公営企業の特別会計のうち、資金の不足額を生じた会計の資金の不足額の合計額
③一般会計及び公営企業以外の特別会計のうち、実質黒字を生じた会計の実質黒字の合計額
④公営企業の特別会計のうち、資金の剰余額を生じた会計の資金の剰余額の合計額
実質公債費比率
地方公共団体の財政規模に対する借入金(地方債)の返済額の大きさの割合を示すものです。
実質公債費比率= [(地方債の元利償還金+準元利償還金)
(3年平均) -(特定財源+元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)]
÷ [標準財政規模 - 元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額]
なお、準元利償還金とは、次の合計額です。
・満期一括償還地方債について、償還期間を30年とする元金均等年譜償還とした場合における1年あたりの元金償還金相当額
・一般会計等から一般会計等以外の特別会計への繰出金のうち、公営企業債の償還の財源に充てたと認められるもの
・組合・地方開発事業団(組合等)への負担金・補助金のうち、組合等が起こした地方債の償還の財源に充てたと認められるもの
・債務負担行為に基づく支出のうち公債費に準ずるもの
・一時借入金の利子
将来負担比率
地方公共団体の財政規模に対する借入金(地方債)などの負債の大きさの割合です。
実質公債費率が、返済額をベースに見ていたのに対して、これは負債自体の大きさを分子としています。
将来負担比率= [将来負担額 - (充当可能基金額
+ 特定財源見込額+地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額)]
÷ [標準財政規模 - 元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額]
なお、将来負担額は、次の合計額です。
①一般会計等の当該年度の前年度末における地方債現在高
②債務負担行為に基づく支出予定額
③一般会計等以外の会計の地方債の元金償還に充てる一般会計等からの繰入見込額
④当該団体が加入する組合等の地方債の元金償還に充てる当該団体からの負担等見込額
⑤地方公共団体が設立した一定の法人の負債の額、その者のために債務を負担している場合の当該債務の額のうち、当該法人等の財務・経営状況を勘案した一般会計等の負担見込額
⑥連結実質赤字額
⑦組合等の連結実施赤字額相当額のうち一般会計等の負担見込額
また、充当可能基金額とは、①~⑤の償還額等に充てることができる基金です。
参考
総務省「健全化判断比率の算定」
コメント