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アンテナショップの現状はどうなのか?


概要

 現在、ほとんどの都道府県で東京などへアンテナショップを出店し、その競争も激化しているように思われる。

 例えば昨年、都道府県でいえば、三重県が「三重テラス」を、静岡県が秋葉原の地域の食を集めた商業施設「ちゃばら」内に「ふじのくに おいしい処 静岡」にアンテナショップを開設した。また、福井県などは、表参道に従来から、アンテナショップを有していたが、昨年4月に銀座にも2店舗目を出店した。

 そしてこの傾向はしばらくは続くと思われる。例えば、石川県長野県では、現在もアンテナショップを有しているが、移転等を行い、アンテナショップの拡充を図ろうとしている(特に長野県の場合、現状はアンテナショップというより情報センターという趣きが強い)。福島県でも、八重洲や葛西(イトーヨーカドー内)にアンテナショップがあるが、新たな店舗を計画している。

 このように、競争が激化しているアンテナショップであるが、現状がどうなのか、気になるところである。
 そこで、地域活性化センターで、東京都内にあるアンテナショップについて、「平成25年度自治体アンテナショップ実態調査」というアンケート調査を実施している。この調査などに基づき、現状、アンテナショップがどうなのか、調べてみた。
(以下の、グラフは、平成25年度自治体アンテナショップ実態調査の数値に基づいて、作成している)


開設年度

 アンテナショップの開設年について、1990年からグラフ化したのが、右のものである。2007年には開設がなかったが、やはり年々増加傾向にあると言えよう。この数値は、新規に開設したものだけでなく、従来からアンテナショップがあったが、新たに移転等をして開設したものも含まれるが、いずれにせよ、増加傾向にあるといえるだろう。
アンテナショップの開設年

アンテナショップの開設年


運営主体

 運営主体として最も多いのが、民間企業などであり、次に自治体の第三セクターなどとなっている。

 例えば、アンテナショップとして有名な北海道の「北海道どさんこプラザ」は(株)札幌丸井三越が運営しており、全国で14店舗と最も多店舗展開している沖縄の「わしたショップ」は(株)沖縄県物産公社という県の外郭団体が運営を行っている。

アンテナショップの運営主体

アンテナショップの運営主体

 また、中には、複数の自治体で共同で行っている場合もある。市町村などが共同で行う場合が多いと思われるが、都道府県でも、愛媛県香川県が共同で「香川・愛媛 せとうち旬彩館」を開設している。
 更に現在、鳥取県岡山県で共同でアンテナショップの開設を予定している。鳥取県は従来より東京・新橋に「食のみやこ鳥取プラザ」というアンテナショップがあったが、岡山県はアンテナショップを有していない状態である。
 勿論、各自治体で新規にアンテナショップを開設するところもあるだろうが、同時にアンテナショップを有していないところが、共同で新たにアンテナショップを開設しようという動きが多く出てくるかもしれない。


売上

 アンテナショップといったときに気になるのが、売上である。
 自治体がすべての費用を負担している場合や施設だけは自治体が負担など、様々な形があるが、いずれにせよ、アンテナショップの存続には、売上が重要となってくる。
 右のグラフを見ると、7億円以上も売上を上げているところもあるが、最も多いのが、1~3億円のところで、次に3千万円未満と続いている。
アンテナショップの年間売上

アンテナショップの年間売上

 簡単に言えば、儲かっているところとそうでないところに分かれているということだろう。

 なお、このデータから単純に計算すると、東京都でのアンテナショップの市場規模は100~150億円程度である。アンテナショップは東京だけではないので、全国のアンテナショップの市場規模は200億円ぐらいだろうか。


目的と効果

 アンテナショップの目的としては、各地域の特産品のPRなどがメインであるが、それだけではない。
 右のグラフは、開設の目的とその効果についてのものである。

 やはり、特産品のPRや自治体のPRなどが高く、それに合わせ、特産品の販路拡大といった点も高くなっている。そして、その効果についても、ある程度あるという認識だろう。

 ただ面白いが、観光案内についてである。目的としては高い値となっているが、効果としては低くなっている。アンテナショップ開設の目的として、観光案内もしっかりと行い、観光客の増加につなげたいという思惑があるのだろうが、そうはいっていないという現状が伺える。ただこれには、単にパンフレットを置くなどだけではなく、アンテナショップに旅行会社的な機能をつけるなども必要だろう。また、田舎暮らし・UJIターンなどといった点でも同様の傾向が見られる。

アンテナショップの目的・効果

アンテナショップの目的・効果


今後、注目すべき点

 以上は、現状のアンテナショップについてであるが、今後はどうなるだろうか。
 私として、注目している点がいくつかある。

 1つは、アンテナショップを開設していないところの動向である。

 例えば、埼玉県千葉県ではアンテナショップを出しているが、コンビニ内のアンテナショップである。また、大阪府愛知県神奈川県などは、東京にアンテナショップを出していない(有楽町交通会館には大阪百貨店というアンテナショップがあるが、民間企業によるもの)。これらは、大都市・首都圏であるが、それ以外では、岐阜県佐賀県などもアンテナショップを出していない。

 首都圏にある県は別として、それ以外のところがどうするのか注目している。特に、岡山県のように、鳥取県と組んで、新たにアンテナショップを出店するという動きが、これらの現在アンテナショップを有していない県で出てくるのではないかと思っている。

 2つは、アンテナショップの機能である。

 長野県では、新たにアンテナショップの開設を計画しているが、単に物販を行うだけでなく、交流の場としても、アンテナショップを位置づけようとしている。
 上記のように、観光などの面で、目的と効果が一致していない点を考えると、非常に気にある計画である。

外部リンク2013/11/16 産経ニュース「「信州の全て」を首都圏の人と共有 来夏、銀座中心部に拠点 長野


 3つは、銀座・有楽町への集中化である。

 大きな動きにはなっていないし、他のところに出店するケースもある。ただ、アンテナショップファンなどがいるように、アンテナショップが多い銀座・有楽町エリアに出店することは意義のあることだと思われる。その点で、新宿にあった広島県のアンテナショップが銀座に移転したり、表参道にアンテナショップを有していた福井県が2店目を銀座に出店するという動きがあり、注目に値することだと思う。

 4つは、福岡県へのアンテナショップ開設の動きである。

 東京以外のアンテナショップの出店といえば、大阪や名古屋が一般的である。ただ、福岡はそれなりに人口があり、大手企業の支店なども多いため、単身赴任者など全国各地から人が集まっており、アンテナショップの出店先として注目されている。

 5つは、海外アンテナショップの出店である。

 大きな動きにはなっていないが、新潟県では2012年よりロシアにアンテナショップを開設していたり、北海道・東北の8道県では香港にアンテナショップを開設している。
 各地域の海外事務所の在り方も変わってきている中、海外のアンテナショップという点でも、新たな動きが出てきそうである。










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