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岩手県の地域経済

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基本情報

概要

 岩手県の県庁所在地は盛岡で、面積は15,278.9k㎡(全国2位)と大きな県である。
 また、岩手県は、同じ東北地方の青森県秋田県宮城県の3県と隣接している。

面積(※) 15,278.9k㎡ (4.0%)
(全国 2位)
県庁所在地 盛岡
旧令制国 陸奥国の一部
隣接都道府県 青森県、 秋田県、 宮城県
 (※)国土地理院「平成24年全国都道府県区町村別面積調」、パーセントは全国比率、順位は全国順位
岩手県の地図


県内市町村

 岩手県は、13市15町5村の計33市町村から構成されており、平均的な市町村数である。指定都市・特例市はないが、中核市としては県庁所在地の盛岡市が指定されており、市町村の構成比率は全国と同じような形になっている。

参考指定都市等については「市の区分

岩手県の市町村の比率(平成25年1月1日現在)

岩手県の市町村の比率


政令市
中核市 盛岡市
特例市
宮古市、大船渡市、花巻市、北上市、久慈市、遠野市、一関市、陸前高田市、釜石市、二戸市、八幡平市、奥州市
町村 雫石町、葛巻町、岩手町、紫波町、矢巾町、西和賀町、金ケ崎町、平泉町、藤沢町、住田町、大槌町、山田町、岩泉町、軽米町、洋野町、一戸町
町村 滝沢村、田野畑村、普代村、川井村、野田村、九戸村、


インフラ

港湾

 岩手県には、久慈港など重要港湾が4港、地方港湾が2港ある。

国際戦略港湾 (0)
国際拠点港湾 (0)
重要港湾 (4) 久慈港、宮古港、釜石港、大船渡港
地方港湾 (2) 八木港、小本港
(※)は、避難港湾


空港

拠点空港 会社管理空港
国管理空港
特定地方管理空港 花巻空港
地方管理空港
共用空港
その他空港


地域鉄道事業

中小民鉄 (0)
第三セクター (2) 三陸鉄道(107.6)、IGRいわて銀河鉄道(82.0)
※()内は、営業Kmである。


人口

 岩手県の人口は戦前より上昇し、太平洋戦争中の疎開や1950年代に大きく人口を伸ばす。1960年代後半には人口流出により人口は減少するが、おおよそ140万人の人口規模となっていた。しかし、2000年代から大きく人口は減少し、現在は約130万人となっている。

岩手県の人口

岩手県の人口

岩手県の人口増加率

岩手県の人口増加率


県内GDP

名目GDP

 岩手県の名目GDPは、1990年後半には約4.9兆円あったが、現在では約4.2兆円で全国30位(2009年度)の経済規模である。
 名目GDPの比率(2009年)を見ると、最も大きいのが民間消費の58.0%、次に政府支出の32.6%となっている。全県計と比較すると、民間投資が少なく移出入等はマイナスで、その分を民間消費や政府支出で補っていることが分かる。この意味で、政府依存度の高い経済構造であることがいえる。

岩手県の名目GDP

岩手県の名目GDP

岩手県の名目GDP比率

の岩手県名目GDP比率

 成長率で見ると、2005年度はマイナスとなっているが、それ以外では、2000年代中頃にプラス成長になり、2000年代後半にはマイナスになるという全県計と同様の傾向がうかがえる。寄与度を見ると、2000年代初めは政府支出のマイナスが、2000年代後半は民間投資のマイナスが大きな影響を与えていることが分かる。

岩手県の名目GDP増加率

岩手県の名目GDP増加率

岩手県の名目GDP増加率(寄与度)

岩手県の名目GDP増加率(寄与度)


 産業別比率では、サービス業の比率が最も大きく(21.0%)、次に不動産業(14.9%)、政府サービス生産者(14.0%)となっている。しかし特化係数で見ると、農林水産業が圧倒的に特化していることが分かる。

岩手県の産業別GDP比率(平成21年度)

岩手県の産業別GDP比率

岩手県の産業別特化係数(平成21年度)

岩手県の産業別特化係数
 参考特化係数


1人当たり県民所得

 岩手県の1人当り県民所得は、全県計よりも一貫して低く、2009年度には221万円で全国40位である。
 増加率で見ると、2005年度はマイナスであるが、2000年代中頃にはプラスになり、2000年代後半にはマイナスになるという全県計と同様の傾向が見られる。

岩手県の1人当たり所得

岩手県の1人当たり所得

岩手県の1人当たり所得(増加率)

岩手県の1人当たり所得(増加率)


所得乗数

 地域所得モデルを用いて乗数を計算すると、2009年度の岩手県の県民所得に対する乗数は1.44で、全国36位である。推移を見ると、1990年代後半より上昇傾向を見せている。ただ、2008年度・2009年度には、移出入比率(移出÷移入)の低下もあり、やや減少している。なお、1996年度から2009年度の間、全県計よりも乗数は小さい。

参考地域所得モデル

岩手県の所得乗数の推移

岩手県の所得乗数の推移


物価

 盛岡市の消費者物価指数は、全国平均と同様に低下傾向にある。また、地域差指数で全国平均と比較すると、盛岡市は全国平均よりも若干高かったが、(基準改訂もあり)平成22年には全国平均よりも下回っている。

盛岡市の消費者物価指数(平成22年基準)

盛岡市の消費者物価指数

盛岡市と全国平均の比較(地域差指数)(※)

盛岡市と全国平均の比較(地域差指数)

 (※)平成12年~平成16年は平成12年基準、平成17年~平成21年は平成17年基準、平成22年は平成22年基準


労働

失業率・有効求人倍率

 岩手県では、失業率は5%前後で近年は全国平均を上回り、有効求人倍率は2000年代中頃に上昇を見せたが、全国平均以下の0.4~0.6で推移しており、雇用環境は悪い都道府県である。

岩手県の完全失業率

岩手県の完全失業率

岩手県の有効求人倍率

岩手県の有効求人倍率


産業

農業

 岩手県の農業産出額は、平成23年には2,387億円で全国11位である。
 指数を見ると、ここ数年は、全国と同様の水準で低下が見られる。

(注)2000年代以降、農業産出額は一般的に減少が続いているため、どれだけ減少したかを見るため、増加率ではなく、指数をとっている。
岩手県の農業産出額

岩手県の農業産出額

岩手県の農業産出額(指数)

岩手県の農業産出額(指数)

 農業産出額の比率については、岩手地鶏などに見られるように養鶏が強く、畜産の比率が54.2%で最も高く、次に穀類の24.6%となっている。
 特化係数で見ても、畜産の1.72が最も高くなっている。

岩手県の農業産出額(比率)(平成23年)

岩手県の農業産出額(比率)(平成23年)

岩手県の農業産出額(特化係数)

岩手県の農業産出額(特化係数)
 参考特化係数


林業

 2011年の岩手県の林業産出額は、1,683千万円で全国6位である。2000年代始めには2,000千万円弱あった産出額は、2000年代中頃に低下、その後復活したが、2011年に大きく落ち込んだ。これを、2001年を100とした指数でみると、全国は一貫して減少傾向にあるが、岩手県では2011年を除けば、2000年代後半は全国を上回り、2001年ごろと大きな変化はない。

(注)2000年代以降、林業産出額は一般的に減少が続いているため、どれだけ減少したかを見るため、増加率ではなく、指数をとっている。
岩手県の林業産出額

岩手県の林業産出額

岩手県の林業産出額(指数)

岩手県の林業産出額(指数)

 岩手県の林業産出額の比率(平成23年)は、木材生産が最も高く59.9%、次に栽培きのこ類生産の36.3%となっている。ただ特化係数で見ると、林野副産物採取が3.65、薪炭生産が2.25と特に特化している。

岩手県の林業産出額の比率(平成23年)

岩手県の林業産出額の比率(平成23年)

参考林産物の種類

岩手県の林業産出額の特化係数

岩手県の林業産出額の特化係数

 参考特化係数


漁業

 2010年の岩手県の漁業生産額(海面)は約300億円で、39都道府県中8位である。2000年代には上昇を続け、2000年代中頃約330億円まで上昇したが、2009年・2010年に大きく落ち込み、現在に至っている。ただ、2003年を100とした指数でみると、全国と同様の動きをしているが、全国よりも高い水準を維持している。

(注)2000年代以降、漁業産出額は一般的に減少が続いており、どれだけ減少したかを見るため、増加率ではなく、指数をとっている。
岩手県の漁業生産額(海面漁業)

岩手県の漁業生産額(海面漁業)

岩手県の漁業生産額(海面漁業)(指数)

岩手県の漁業生産額(海面漁業)(指数)

 また、2010年の岩手県の内訳を見ると、魚類が66.6%でトップ、2位がいか類の11.7%、3位が貝類の9.5%となっている。全国の比率と比較するため特化係数を見ると、いか類や貝類が特化していることが分かる。反面、えび類・かに類・海藻類の係数は小さい。

岩手県の漁業生産額(海面漁業)の比率(2010年)

岩手県の漁業生産額(海面漁業)の比率(2010年)

岩手県の漁業生産額(海面漁業)の特化係数

岩手県の漁業生産額(海面漁業)の特化係数

 参考特化係数


製造業

岩手県の製造業については、別途まとめています。

岩手県の製造業


商業

卸売業

 岩手県の卸売業の販売額は、2007年には約1.9兆円で、全国31位である。1990年代を通じて増加傾向にあったが、2000年代になり、減少が続いている。
 1991年を100とした指数を見ると、1990年代、全国が落ち込む中、増加を示していたが、2000年代になると減少し、1991年に比べ約25%の落ち込みとなり、全国と同水準の減少幅となっている。

(注)1990年代以降、卸売業の販売額は一般的に減少が続いており、どれだけ減少したかを見るため、増加率ではなく、指数をとっている。
岩手県の卸売業の年間商品販売額

岩手県の卸売業の年間商品販売額

岩手県の卸売業の年間商品販売額(指数)

岩手県の卸売業の年間商品販売額(指数)


小売業

 岩手県の小売業の販売額は、2007年には約1.3兆円で、全国31位である。1990年代中頃までは増加していたが、1990年代後半より減少が続いている。
 1991年を100とした指数を見ると、全国と同様の動きを示しているが、全国以上の水準で推移している。

(注)1990年代以降、小売業の販売額は一般的に減少が続いており、どれだけ減少したかを見るため、増加率ではなく、指数をとっている。
岩手県の小売業の年間商品販売額

岩手県の小売業の年間商品販売額

岩手県の小売業の年間商品販売額(指数)

岩手県の小売業の年間商品販売額(指数)


W/R比率

 岩手県のW/R比率は、2007年には1.42で全国25位の低さとなっている。全国同様に低下傾向を示しているが、全国よりもW/R比率は小さく、その低下幅も小さい。
岩手県のW/R比率

岩手県のW/R比率

 参考W/R比率


地域金融

金融機関

地方銀行 岩手銀行、東北銀行
第二地銀 北日本銀行
信用金庫 盛岡信用金庫、宮古信用金庫、一関信用金庫、北上信用金庫、花巻信用金庫、水沢信用金庫
信用組合 杜陵信用組合、岩手県医師信用組合


預貸率

 預金は上昇傾向にあり、貸出は2000年代中頃から緩やかに増加傾向を見せている。預貸率は、全国平均よりも低く、近年は約50%で推移している。

岩手県の預金・貸出額

岩手県の預金・貸出額

岩手県の預貸率

岩手県の預貸率
 参考預貸率


民放メディア

テレビ局

 民放テレビ局は、日本テレビ系・TBS系・フジテレビ系・テレビ朝日系の4局となっている。

日本テレビ系 TBS系 フジテレビ系 テレビ朝日系 テレビ東京系 独立系
テレビ岩手(TVI)
IBC岩手放送(IBC)
岩手めんこいテレビ
岩手朝日テレビ(IAT)


その他のメディア

 新聞については、岩手日報が約4割の世帯普及率を誇っており、地方が高いシェアを有している。また、盛岡タイムスなどの地域新聞も発行されている。
 民放のラジオ局・FM局については、他の多くの都道府県と同様にそれぞれ1局ずつとなっている。
岩手県の新聞シェア

岩手県の新聞シェア
(朝刊、世帯普及率、2012年7月~12月平均)


地方 河北新報(ブロック)、岩手日報、盛岡タイムス(盛岡地域)、岩手日日新聞(一関・奥州・北上・花巻地域)、胆江日日新聞(奥州市・胆沢郡)、東海新報(大船渡地域)、岩手東海新聞(釜石地域)
ラジオ局 IBC岩手放送
FM局 エフエム岩手


文化・教育機関

美術館

国立美術館
公立美術館 岩手県立美術館、岩手県立石神の丘美術館
私立美術館


大学

 岩手県には、国立大学が2校、公立大学が3校、私立大学が3校、短期大学が3校、計11校の大学がある。なお、特殊なものとして、省庁大学校の国立宮古海上技術短期大学校がある。

国立大学
(2)
岩手大学、国立宮古海上技術短期大学校
公立大学
(3)
岩手県立大学、岩手県立大学宮古短期大学部、岩手県立大学盛岡短期大学部
私立大学
(3)
岩手医科大学、富士大学、盛岡大学
短期大学
(3)
岩手看護短期大学、修紅短期大学、盛岡大学短期大学部
(※)国立大学には文部科学省以外の省庁所管の学校や大学院大学を、公立大学には公立短期大学を含めており、短期大学は短期大学部も1校としている。
(※)大学名の後の()内は、キャンパス・サテライトなど


スポーツ施設

公営競技場

岩手県には、競馬場が1つある。

競馬場 盛岡競馬場
競輪場
競艇場
オートレース場
(*)は中央競馬場

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